2001年12月、愛子さまが誕生。宮内庁病院を出る雅子さまと愛子さま
2001年12月、愛子さまが誕生。宮内庁病院を出る雅子さまと愛子さま

 歌会始での御歌以外でも愛子さまの成長を記したものがあり、生後2~3カ月には、

【乳母車 おして歩めば みどり児は 光あふるる 空にまばたく】

 乳母車にゴロンとされていた愛子さまは、1歳になる前には、雅子さまにしっかり抱っこされている様子も御歌にある。

【子をつれて 君と歩めば 夕空に 一番星は はやかがやきぬ】

【あたたかく 陽のさす庭に 抱きいでて あどけなく笑ふ 吾子の重たさ】

 2002年12月に愛子さまは1歳のお誕生日を迎えられ、年が明けて2003年1月の歌会始の雅子さまの御歌には、愛子さまが立っちからよちよちあんよを始めた様子が映し出されている。

【いちやう並木 あゆみてであふ 町びとに みどり児は顔 ゑみてこたふる】

 この年の12月、雅子さまは帯状疱疹をきっかけに療養生活に入られた。その後、公務に姿を見せることが難しかったが、歌会始には御歌を寄せ続けられた。

2004年

【寝入る前 かたらひすごす ひと時の 吾子の笑顔は 幸せに満つ】

宮内庁の解説/2003年秋、東宮御所を離れてのご公務からお戻りになられた妃殿下が、内親王殿下のお休み前の一時、ベッドの傍らでいろいろなお話をされた折、内親王殿下があどけなく幸せそうな笑顔をみせられたことに安堵なさり、将来にわたっての内親王殿下の幸せを願って、お詠みになられたものです。

2005年

【紅葉ふかき 園生の道を 親子三人 なごみ歩めば 心癒えゆく】

宮内庁の解説/妃殿下には、この一年余り、皇太子殿下よりのお心温かいお力添えと内親王殿下のお健やかなご成長に支えられて、徐々に心身のお力を回復なさってこられたことに思いを新たにされ、深い感謝のお気持ちをこめてお詠みになったお歌です

2006年

【輪の中の ひとり笑へば またひとり 幼なの笑ひ ひろがりてゆく】

宮内庁の解説/内親王殿下が同年代のお子様たちとお過ごしなられることを大切にお思いでいらっしゃいます。 そのようなお集り、お教室のお後、お子様たちが自然に輪になり興じるうちに、一人が笑い、また一人が笑い、次々と笑いが大きく広がっていきました。 そのお子様たちを優しく見守るお母様方にも笑いが伝わり、その場が幸せに満ちていく様子を、妃殿下がほほえましく思われて、詠まれたものです

暮らしとモノ班 for promotion
2024年この本が読みたい!「本屋大賞」「芥川賞」「直木賞」
次のページ
お月さまが見たいという愛子さまの手を取り…