被告はファンの間でも「有名人」
また、千葉被告に「経営が苦しい」と言われ、計4億6000万円を会社に貸したことも証言し、「ライブは毎度満席なのに何でだろうとは思ったが、会社の収支は一切教えてもらえなかった」と振り返り、千葉被告の不正に関しては「音楽を続けられなくなるかもしれないと思い聞けなかった」と苦しい胸の内を明かした。
そのうえで、事件を知った時の気持ちについては、「(千葉被告は)最低だと思いました。自分の音楽を否定されたような気持ちになり、すごく悔しかった」と語った。
音楽誌のライターは、aikoと千葉被告の特殊な関係をこう語る。
「幼少期から歌手に憧れていたaikoさんは高校生の頃からピアノで作曲をしたり、バンド活動をしたりする中、短大生の時に『TEENS' MUSIC FESTIVAL』でグランプリを獲得しました。それをキッカケにプロのアーティストとしての道を歩むことになります。当時所属レコード会社の担当者だった千葉被告とは、aikoさんがまだ芸能界や音楽業界のことをよく分からない新人の頃に出会い、二人三脚でともに歩んで来たこともあって、長きにわたって全幅の信頼を寄せていたようです。実際、aikoさんがライブなどで“盟友”のような存在としてその名前をたびたび口にすることから、ファンの間では千葉被告は広く知られた存在でした。後年になって、お金に関する疑問を感じることがあっても、本人も裁判で証言しているように、“聞くに聞けない”間柄だったのでしょう」