「きのう何食べた?」で美容師のケンジを演じる内野聖陽

 何気ないセリフには、相手のことを考え、思いやり、そして、それに感謝するという気持ちが込められている。前出の中村さんは、「日常にこそこのドラマの魅力が詰まっている」と話す。

心が温まる家庭料理のよう

「ゲイのカップルが主人公の作品ですが、いわゆる『特殊なふたり』という扱いをせず、あくまで『食』に比重を置き、何気ない彼らの『日常』を描いているところに、視聴者の好感とともに人気や支持が集まっているのだと思います。

 それがベースにあるからこそ、二人が経験する人生のさまざまな歓びや哀しみが、良きスパイスとして効き目を発揮。食べると心が温まる家庭料理のような味わいに仕上がっているのではないでしょうか」

 さらに「season2」は、その“旨味”が増していると中村氏はみている。

「season2ではさらに旨味を増しているように私は感じます。たとえるなら一晩寝かせたカレーとでも言いましょうか。初見の人はもちろんのこと、前シーズンからの視聴者も二人のこれまでを知っている分、より一層楽しめる。

 それらが相乗効果となって今シーズンの人気につながっていると思います。なにより西島秀俊さんと内野聖陽さんという、確固たる実力を持った俳優の名演にも支えられている部分も大きく、そもそもドラマとして見ごたえがあります。見た人の心と胃袋をとらえて離さない、不思議で素敵な魅力のあるドラマだと思います」

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心にしみたセリフは?