「あのときは、ありがとうございました。今、僕と同じようないじめで不登校になった子を支えるボランティア活動に参加しています」と書いてありました。「ああ、これで彼はなんとかやっていけるだろう」と安堵しました。
聞く側には覚悟が必要
たった一度、自分にとって最大のトラウマを誰かにじっくり聞いてもらうだけで、人は一歩を踏み出せる。そういうことがあります。
話を聞く側としては、相手に伴走するつもりで、求められる限りはつき合う覚悟が必要です。私が常にその覚悟で相談者と話すと決めているのは、このような体験があったからです。
ふだんから、自分の状況を言葉にして誰かに聞いてもらうと、視野がスッと広がる場合があります。漠然とした悩みや不安を、人にわかる言葉にすることで、自動的に頭が整理できるからです。
そんな話をできる相手が、生きるうえでの生命線になることもあるのです。