自民幹部は「維新の分裂は歓迎だ」
維新の国会議員秘書の経験もある、選挙プランナーの藤川晋之助氏は、衆院選の前から、
「維新は現有から5議席減らせば、党内政局になる」
と語っていたが、現実となりつつある。藤川氏はこう話す。
「維新が大阪組と国政組、2つに割れることは十分に考えられる。馬場代表の大阪組が主導すれば、自公との連立参加がありうるかもしれない。理由は来年の万博成功とIRの早期推進で、この2つがあれば連立を組む大義だと馬場代表はじめ大阪組は考えているようだ。これに対して国政組は、自公との連立は絶対に受け入れられない。逆に立憲民主党と共同歩調をとるべきと主張する声もかなりある」
維新の分裂はこれまで2度あった。旧日本維新の会は2014年に創設者の橋下徹共同代表(当時)のグループと、石原慎太郎共同代表(当時)のグループが分党という形で分裂。翌15年には橋下氏や松井氏ら“大阪系”グループと旧民主党出身者らのグループが路線対立によって分裂している。
自民党の幹部に維新の「お家騒動」について聞くと、
「維新が割れて、馬場代表が20人くらい引き連れてうちに来てくれたら歓迎だ。大阪で維新とぶつかり全敗した公明党は嫌でしょうが、与党を維持するためには仕方ないので説得しますよ。見返りに馬場代表に万博担当大臣程度の待遇でよければ、すぐにでもという思いだ」
と期待を寄せた。
A氏は言う。
「大阪組と国政組の対立で、維新の3度目の分裂になりそうだ。唯一、解決できるのは吉村知事が代表選に出馬して圧勝し、維新のトップになること。吉村知事の人気と発信力には誰も及ばないので、1つにならざるを得ない。吉村知事が立ち上がるかどうかに維新の存亡がかかっている」
(AERA dot.編集部・今西憲之)