「大阪組」と「国政組」の対立
A氏によると、今、維新は馬場代表を中心とした「大阪組」と、東徹衆院議員や浅田参院会長が引っ張る「国政組」の2つに割れているという。
考え方の違いが出ているのが、与党との関係だ。過半数割れした自公連立与党は、11月11日に召集予定の特別国会で石破首相を首班指名させるために連携相手を探している。10月31日には国民民主党と幹事長会談を行い、部分的な連携を進める方向が決まった。
「表になっていないだけで、当然、馬場代表は水面下で自民党と何らかの交渉をしているはず」
と、A氏は馬場代表が与党との連携を模索しているようだとみる。
一方、吉村知事は、自公や立憲民主党などとの連携について会見で問われ、
「今の段階でどこかと連携はない。連携するなら選挙で自民党の名前、立憲民主党の名前を書いとけばよかった、となる。維新と書いてくれた有権者の気持ち、期待と信頼を裏切ることになる」
と、自公や立憲との連携を明確に否定した。
A氏は党内の状況をこう説明する。
「党内はまさに『馬場おろし』の嵐だ。中心になっているのは、馬場代表と大阪府議時代からの仲間で、維新創成期から一緒にやっている浅田氏や東氏。代表選があれば東氏が出馬する意向のようだ。吉村知事も、発言などから東氏らに加勢しているとみられる」
松井一郎前代表の後任を決めるために行われた2022年8月の維新代表選では、松井氏が応援した馬場代表が勝利した。当初は、東氏も出馬する意向で、馬場代表の強敵とみられていた。だが、東氏は「党内抗争」の激化を恐れた中間派の説得に応じて、出馬を断念している。それだけに、
「かねて、大阪一辺倒の馬場代表の手法に東氏は否定的だった。今回こそという気持ちは強い」(A氏)