ところが宮内庁が招待者に配った黒い雨傘の手元は、I字型に近い特殊な形状。なぜなのか。今回の園遊会の招待者は感染対策のため1320人だったが、例年は倍の2700人近い人数となる。園遊会が開催される春と秋は雨が多い。雨に備えて宮内庁は、大量の傘を準備する必要がある。しかし、それだけの量を保管すればかさばってしまう。そこで、手元がI字に近い特殊な雨傘にした。少しでもコンパクトに保管するための宮内庁の知恵なのだという。
和やかなムードで終えた令和初の園遊会。ふと雨に目をやると、半世紀にわたり皇室に雨傘を納めてきた職人の存在が浮かび上がってきた。皇室の横顔をすこしだけ垣間見ることができた雨の園遊会であった。
(AERAdot.編集部 永井貴子)