天皇、皇后両陛下が主催して、10月30日に開かれた「秋の園遊会」。両陛下や皇族方と、数多くの著名人たちが親しく言葉を交わす園遊会の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年4月24日に掲載された記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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天皇、皇后両陛下が主催する春の園遊会が23日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれた。両陛下の長女愛子さまにとって、初めての園遊会。いとこである秋篠宮家の次女佳子さまが、さりげなく愛子さまをサポートし、おふたりが顔を見合わせて微笑む光景が、参加者をなごませていた。
「なんてお可愛いのでしょう」
愛子さまと向き合った和服の女性は、思わず声が漏れたといった様子で、そう口を開いた。
「いえ、いえ」
愛子さまは照れたように笑い、手を振って否定のジェスチャーをする。
あちこちで「ピンクの服がよくお似合い」といった賛辞を受けた愛子さま。恥ずかしそうにすこし下を向き、「いえ、いえ」と顔と手を振る姿が、何度も見られた。
愛子さまにとって、この日が「園遊会デビュー」。その様子を、招待客はあたたかく見守っていた。
愛子さまと佳子さまが談笑しながら歩く光景
園遊会は、静寂に包まれた緑地が広がる赤坂御用地で、春と秋に開催される。
この日は、花に新緑が交じりだした桜に代わり、満開になった藤や菖蒲が会場に彩りを添えていた。
午後2時20分。三笠山と呼ばれる芝生の丘の上に、天皇、皇后両陛下と皇族方が姿を見せた。天皇家と皇嗣家はご身位の順序通り、天皇陛下と皇后雅子さまから、秋篠宮さまと紀子さま、愛子さま、佳子さま、常陸宮妃の華子さま、寛仁親王妃の信子さま、長女の彬子さま、次女の瑶子さま、高円宮妃の久子さま、長女の承子さまと続いた。
高齢の華子さまと瑶子さまは途中で退席したものの、ゆっくりと丘から下りてきた陛下と皇族方は、陛下と雅子さまを先頭に、小道の脇に並ぶ出席者にあいさつをしたり、言葉を交わしたりしながら、歩を進める。
紀子さまに続き、淡いさくら色のセットアップを着用した愛子さまが出席者から見えてくると、「ピンクがよくお似合い」と声が漏れた。