往年のヒット曲に乗せた“あるある”ネタが代名詞にもなっているお笑いコンビ「レイザーラモン」のRGさん。ただ、時代の変化とともに「“あるある”は絶滅危惧種」との思いを抱くようになったといいます。また、今年6月で50歳になり、大きな節目で「使命」を感じたと言葉に力を込めます。そこで踏み出した一歩とは。今のリアルな思いを語りました。
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実は、最近“あるある”がやりにくくなっているんです。自分のネタながら、状態的には、もう絶滅危惧種と言ってもいいと思います。
逆にいうと、これまで甘えさせてもらっていたのかもしれませんけど、基本的に“あるある”は替え歌なので、曲の著作権とかそういう部分と密接に関わっている。
“あるある”をやりだしたのは15年ほど前。最初は仕事がなかった頃からお世話になってきたケンドーコバヤシさんをはじめ、目の前の芸人さんを笑わせたい思いだけで生まれたものでした。それで認知していただいた部分もあるでしょうし、自分のネタながら本当に助けてもらいもしたんですけど、時代の流れとともに状況が変わってきたんです。
当初はテレビが圧倒的に発信の場でしたし、放送局はJASRAC登録をしっかりとして権利関係の手続きもきちんとやっていただけるので、普通にできていました。
ただ、発信の場としてYouTubeが台頭してくる。さらに、新型コロナ禍で配信文化が生まれて、そういう場では権利の問題で音楽ネタができない。
そして、今はテレビ番組でもリアルタイムで見るだけでなく、TVerとかで見逃し配信をするのが主流になってきて、そこでは歌ネタはカットされるんです。
そういう環境の変化もありますし、これは良いことではあると思うんですけど、世の中の権利意識の高まりもあって、いつの間にか「替え歌は良くない」という流れもできてきた。あらゆる形で“あるある”がやりにくくなってきたんです。
なので、権利という部分はクリアしている昔からの童謡で“あるある”をやったりもしていたんですけど、それだと、やっぱりヒット曲のパンチにはかなわない。