昨年より迫力とリアリティがより増した、ショウタ(渡辺翔太/右)とチャンプ・シンタロウ(森本慎太郎/左)のボクシングシーン。頭蓋骨に問題を抱えるチャンプの体を気遣いボディしか狙わないショウタだったが… (写真:岡田晃奈)

自分らしさののりしろを

 9日の初日開幕記念会見で渡辺が、昨年は舞台演出を担う堂本光一から伝えられたものを「いかに踏襲できるかっていうことにかなり重きを向け」ていたが、今年は「光一くんの演出、プラス自分の個性」「もうちょっと自分らしさっていうのりしろをつけられたらいいなっていう思いで」臨んでいると語った通り、「去年とまた一味違った」舞台となっている。

 ラスト近くに、「みんな誰かのために生きてる」「絆が生まれるんだ」というショウタのセリフがある。それは、けっして物語上のものにとどまらず、渡辺と森本の絆も、鳳蘭、紫吹淳や少年忍者ら出演者同士に生まれた絆もまた深まっているからこそ、互いを思う心が、より強く伝わってくるのに違いない。

(写真・岡田晃奈、編集部・伏見美雪)

※川崎皇輝さんの「崎」は、たつさきが正式表記。

※「AERA」11月4日号には、本記事の写真とは異なる、この公演の写真18点を掲載している。

暮らしとモノ班 for promotion
老後に「友達」って本当に必要? 改めて「人とのつながり」について考えたい時に読む本