二階俊博元幹事長

「情勢調査の数字は驚きや」

 石破首相の応援演説の「前座」として、鶴保庸介元沖縄北方担当相が二階伸康氏の選対委員長として挨拶に立とうとしたとき、

「世耕選対……」

 と地元の市議が言い間違えるハプニング。鶴保氏は、

「それほど(世耕氏は)縁が深い方。ずっと仲良くやってきて、二階氏が自民党公認で出馬が決まっているのに、その後に出てくる。まったく大義がない」

 とフォローしつつ、

「(世耕氏には)私が直接、候補者が決まっていない和歌山1区から出ればと言いました。しかし、断ってきた」
と恨み節を披露。

 続いて候補者の伸康氏も、
「選挙で走っているとあちこちで、私と相手方のポスターが並んで貼ってある。残念な気持ちでいっぱいだ」

 と世耕氏を意識した発言を続けた。

 自民党としては、公認候補に反旗を翻した世耕氏に敗れるわけにいかない。和歌山2区には石破首相に続き、森山裕幹事長も入って2カ所で応援。小渕優子組織運動本部長や野田聖子元総務相らも入った。

 二階氏の有力後援者がこう打ち明ける。

「情勢調査の数字は驚きや。選挙直前に出馬表明した世耕氏がここまで勝っているとは思わなかった。世耕氏は離党して無所属なので、お金も自前、政見放送もプロフィール紹介程度しかない。こちらは用意周到に戦える準備をしていたんだが」

事務所の「ため書き」は二階氏が圧倒

 確かに、二階氏の御坊市の選挙事務所に入ると、圧倒的な組織力を感じる。壁から天井にまで必勝祈願の「ため書き」がうなるように張られていて、真ん中には大きく、

「祈 必勝 元自由民主党幹事長 二階俊博」

 という父・俊博氏のため書きがあった。それをはさむように、石破首相や和歌山県の岸本周平知事のため書きが並び、林芳正官房長官や三原じゅん子少子化担当相のものはスペースがなかったのか、天井のほうに貼られていた。各種団体の推薦状なども大量に並べられている。組織力では世耕氏を圧倒しているのが見て取れる。

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