海外の賓客をもてなし、家族とのひとときを楽しむ。さまざまな人と食卓を囲む皇族方の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年3月16日に掲載された記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
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秋篠宮家の紀子さまは、昨年末から胃腸の不調が見られ、宮内庁によれば1月の検査でも医師から「療養し、自律神経の調整を図りながら過ごすように」と勧められたという。公務でも顔色が良いとは言えないご様子だが、そうした状況でも、30年ほど前から総裁を務める結核予防会とは絆が深く、2月に都内であった結核予防関係婦人団体中央講習会には出席された。そこは紀子さまが、環境への関心が高い秋篠宮家での「母」としての日常を見せた場でもあった。
秋篠宮妃の紀子さまは会場の後方の席で、熱心にメモを取っていた。
耳を傾けていたのは、結核予防会の理事長を務める尾身茂氏の講演。政府の分科会の会長として新型コロナウイルス対策に取り組むなど、医師として感染症と闘った経験について語る尾身氏の話に時折うなずき、手元のメモを見返すなどしながら熱心に聞き入る紀子さまの姿があった。
講習会の休憩時には、能登半島地震の被害に遭った石川県からの参加者に、「大変でしたね」と声をかけ、各地からの出席者の席をまわって丁寧に話しかけていた。
紀子さまは、腰をかがめて何人もの女性らと話し込んでいたため、周囲が「立たせてしまってすみません」と恐縮する場面もあった。ところが紀子さまは「わたし、若いですから」と応じ、その場が笑いに包まれるひと幕もあったという。
講習会に参加していた一人は、こう話す。
「ご体調がよくないとのニュースで心配していましたが、熱心に学び、公務を続けておられました」
紀子さまが結核予防会の総裁に就任したのは、30年ほど前のこと。
長い付き合いの団体メンバーも多いのだろう。秋篠宮家での「母」の顔が、ふとにじむこともあるようだ。