2024年のJリーグもいよいよ最終盤を迎えている。最後まで激しい優勝&残留争いから目が離せないが、同時に来季へ向けての戦力補強も気になるところ。そして、近年のトレンドに「個人昇格」がある。昇格プレーオフの結果いかんで状況は変わる面はあるが、J1クラブが食指を伸ばしそうなJ2&J3クラブ所属の選手たちは多くいる。その中でもブレイク間違いなし、あるいは是非とも“オススメ”の選手を紹介したい。
その動向が最も注目されるのが、FW小森飛絢(ジェフユナイテッド千葉)だろう。2000年8月6日生まれの23歳。富山第一高、新潟医療福祉大を経て2023年に千葉入り。前年に特別指定選手としてデビュー済みだったとはいえ、1年目からいきなり日本人最多タイの13得点を挙げてJ2ベストイレブンに選ばれると、2年目の今季はさらに凄みを増し、ここまでリーグトップの22得点をマークしている。
そのプレーはすでにJ2レベルでは「環境破壊」と言われるまでに傑出しており、巧みな動き出しとポジショニング、そして多彩かつ高度なシュート技術で、9月は5試合9得点の無双状態だった。運動量、献身性、周囲との連携も含めてFWとしての総合力は高く、千葉がJ1昇格を果たせなかった際には、争奪戦がさらに加速することになる。
その小森に次ぐ得点ランキング2位につけるFW谷村海那(いわきFC)も、強くて巧い、話題のストライカーだ。1998年3月5日年生まれの26歳。花巻東高、国士舘大を経て2020年に当時JFLだったいわきFC加入。以降、チームとともにステップアップを果たし、昨季はJ2で41試合7得点をマークし、ウイングバックなども経験してプレーの幅を広げた。今季はシャドーや2トップの一角としてコンスタントに得点を積み重ね、ここまで出場35試合で17得点を挙げている。魅力は空中戦の強さ。
身長181センチと特別高いわけではないが、落下点の予測とアーリークロスへの入り方が巧みで、ここまでヘディングでの6得点はJ2最多を誇る。同時に6アシストを記録している点も見逃せない。クラブへの愛着心は強いだろうが、J1クラブが欲しがる存在にまで成長している。