J2の若手では、MF保田堅心(大分トリニータ)を期待のタレントとして挙げたい。2005年3月5日生まれの19歳。身長182センチの大型セントラルMF。大分U-18に在籍して高校2年生だった2021年にトップデビューを果たし、昨季はリーグ戦29試合に出場して存在感を強めると、今季は攻守にわたってチームの中心的な存在となっている。身体的な強さと技術の高さを併せ持ち、特にボランチの位置から力強い推進力で自らボールを持ち運ぶプレーは、スケールの大きさを感じさせる。
年代別代表でも中心として活躍している逸材を大分もそう簡単に手放すはずはないが、クラブが現在17位と低迷している点が辛いところ。同じ大分の22歳のボランチMF弓場将輝とともに個人昇格の候補と言える。海外移籍も考えられるが、J1の舞台で能力を伸ばして欲しい人材だ。
人材不足の左サイドバックとして注目したい存在が、DF新保海鈴(レノファ山口)だ。2002年8月16日生まれの22歳。元日本代表の田中隼磨を父に持ち、プロ入り以前から様々なクラブを渡り歩いてきた。そしてJ3クラブでの2シーズンにわたる期限付き移籍から山口に復帰した今季、開幕から不動の左サイドバックとして出場を続け、精度の高い左足キックを武器にここまで1得点8アシスト(リーグ2位)を記録している。
クロスだけでなく、ボールを持った際の落ち着き、配球能力に優れ、自らドリブルで内側に切り込んで行く多彩さを持つ。サイドバックとしての守備面が課題にはなるが、攻撃性能はJ2屈指で、J1舞台でも十分に活躍できるはず。むしろ、周囲の個人能力が高くなれば、さらに輝く可能性がある。
J3からは、伸び盛りの選手としてMF横山夢樹(FC今治)の飛躍を期待したい。2005年9月23日生まれ19歳。元プロの父と今夏にサガン鳥栖からバーミンガム・シティに移籍した兄(横山歩夢)を持つドリブラー。帝京高校からFC今治入りして1年目の今季、兄譲りのスピードを武器に6月からスタメンの座を掴むと、鋭いステップワークから躍動感のあるドリブル突破で攻撃にアクセントを加え、ここまで出場24試合で6得点をマークした。