「週刊SPA!」元副編集長・芸能デスクの田辺健二氏は、劇団ひとりについてこう分析する。

「劇団ひとりさんが15歳のときにふらっと入った古本屋で、たけしさんが書いた『浅草キッド』と出会い、30年後にその映画化を手掛けることに、劇的な巡りあわせを感じます。ご本人は『この作品の映画化は僕以外がやっちゃいけないとずっと使命感を勝手に感じていた。自分以外は適任がいないだろうってうぬぼれ続けた』と明かしていますが、こういう根拠のない使命感やうぬぼれを自分に憑依させることができるのは、“憑依型芸人”と言われる彼の最大の武器。新しく始まる『横道ドラゴン』はアドリブ芸で物語が進むということで、彼の真骨頂である憑依芸を存分に見せてくれるはずです。泣き芸を含むエモすぎるキャラが憑依したときの劇団ひとりさんは無双状態ですし、これこそ彼にしかできない唯一無二の笑い。ここ最近はクリエーターとして注目されることが多かったと思いますが、“たけしイズムのその先”をぜひとも見てみたいですね」

 憧れの人を追い続け、30年かけてたどり着いた後継者のポジション。“たけしの遺伝子”を間違いなく継承している劇団ひとりは、次のステージでどんな笑いを生み出そうとしているのか。

(藤原三星)

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