その点、ソニーでは、現在も、在宅勤務を含めた多様な働き方を許容する。社員のパフォーマンスの最大化とエンゲージメントにつながると考えているからだ。

 仕事と休みの緩急もある。楊の趣味は、カメラである。休日には、首都圏の公園や植物園などを訪れ、季節の花を写真におさめる。AIという最先端技術に携わりながら、花など自然に視線を向けるところがおもしろい。愛用しているのは、ソニー製のセンサーを搭載しているキヤノンの「EOS Kiss」だ。もっとも、ほしいものを尋ねると「ソニーのミラーレス一眼カメラ『α』が買いたいですね」と笑った。

 若いエンジニアや、専門の知識を備える人材に、活躍の場と成長実感を与え、やりがいを感じさせられるか。生きがいといえるほど、仕事に没頭させることができるか。最大のパフォーマンスを発揮させられるか。彼らがそうした場を求めていることはわかっていても、それを与えられる企業は多くない。

 ソニーと楊は、この点について相思相愛だ。そんな人材がたくさんいることが、ソニーの強みである。

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