「夢みる光源氏」展で案内役の調査員と深い古典談義を交わす愛子さま=2024年5月、国立公文書館
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 秋は読書、芸術にふれる季節。本を手に取り、美術作品を鑑賞し、音楽に耳を傾けて、教養を培ってきた皇族方の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年5月18日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

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 天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは5月11日、国立公文書館(千代田区)で開催されていた春の特別展「夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み!――」を視察した。案内した調査員との会話で盛り上がり、笑い声に包まれた1時間となった。調査員が感心したのは、愛子さまの知識レベルの高さであったという。
 

「この展示は大河ドラマに合わせたものですか?」

 愛子さまは、案内役を務めた同館の星瑞穂調査員にそう話しかけた。星さんが、そうですとうなずくと、愛子さまはうれしそうだったという。

 いま放送のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、『源氏物語』の作者である紫式部を描いた物語。学生時代に、中世などの古典文学を学んでいた愛子さまも楽しみにご覧になっているのだろう。

 愛子さまが視察する間、館内には笑い声が何度も響いた。

 星さんは、愛子さまが熱心に耳をかたむけてくれるため説明にも熱が入ってしまったという。

 2人のやりとりがもっとも盛り上がったのは、夢占いの話題だった。

 星さんは、『枕草子』のなかの、夢占いに関する記述を紹介した。

「夢占いは現代でもありますね」

 愛子さまは続けた。

「人が亡くなる夢をみたときは、良いことが起きると今でも言われますね」

 愛子さまは2カ月前に、大学を卒業したばかり。

 まだまだ女子学生のような明るさを持つ愛子さまの雰囲気に、大学で学生を指導する立場にもある星さんの頬が緩んだ。

「夢みる光源氏」展を開催する国立公文書館に到着した愛子さま=2024年5月、千代田区

 一方で、星さんは表情を引き締めてこう話す。

「ご案内したなかで、愛子さまは、大学院の修士課程レベルの知識をお持ちだと感じました」

 実は、星さんが愛子さまに真っ先に案内したのは、公文書館の個性が光る、ややマニアックな資料であった。

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