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 かつて日本には所得税の公示制度があった。1千万円を超す所得税額を申告した人の住所や氏名、納税額を公示する制度で、1950(昭和25)年に始まり、毎年5月に発表されると、テレビのワイドショーなどが、著名人について部門ごとの「長者番付」をまとめ、お茶の間の話題となっていた。20年前と30年前の番付を見てみると、今も活躍中の有名人などが名を連ねている。

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 2004年の俳優・タレント部門では、司会者のみのもんたさんが2年連続の1位。ベスト10には、とんねるず、ダウンタウン、爆笑問題とお笑いコンビが3組6人を占めた。ダウンタウンの松本人志さんは1994年は2位に入っており、ベスト10の常連だった。

 作家部門の1位は、「十津川警部シリーズ」などで知られるトラベルミステリーの第一人者の西村京太郎さん。西村さんの1位は7年連続だった。2位の片山恭一さんは『世界の中心で、愛をさけぶ』がよく売れた。

 プロスポーツ選手では、プロ野球横浜ベイスターズの佐々木主浩投手が初の1位。5年ぶりに米メジャーリーグから日本球界に復帰した。野球選手がベスト10のうち8人を占めたが、94年はJリーグ開幕当初にあたり、三浦知良選手(現在はJFLアトレチコ鈴鹿)が2位になるなどベスト10のうち3人がJリーガーだった。

「長者番付」は、空き巣や「振り込め詐欺」などの犯罪を誘発する危険性や、個人情報保護の流れの中でプライバシー侵害を指摘する声が大きくなり、05年分から廃止になった。