奥菜恵(撮影/門間新弥)

シングルマザーになって感じた孤独

 【前編】では、「これからの限られた時間のなかで、楽しいことや喜びをもっと増やしていきたい」と語っていた奥菜だが、今後の人生で成し遂げたい“夢”があるという。

“いつか、母子家庭のお母さんや子どもを支援する活動をしていきたいです。私の友人にも、仕事も子育てもすごく一生懸命で、大変な思いをしているシングルマザーがたくさんいて、なにか力になりたいなと。私も一時期ひとり親だったので、その苦しさはよくわかります。たとえば、まだヨチヨチ歩きの赤ちゃんだった子どもたちを公園に連れて行くとき、父親がいる家族の幸せそうな姿を見るのがすごく苦痛でした。一人で子どもを育てていると、ミルクのあげかたが分からなかったり、愚痴を聞いてほしかったり、戸惑いや孤独を感じる場面がよくあります。そんなとき、ちょっと寄り添ってくれる人がいるだけでだいぶ救われたなって思うので、お母さん同士がつながれる場所を作れたらいいなと、模索しています。”

 俳優として生きるうえでの制約、世間からのレッテル、パートナーとの出会いと別れ、そして大きな病。数々の“壁”を乗り越えた先に望むのは、誰かのために生きる未来なのかもしれない。

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「ママのもとに生まれてこられて幸せ」