今季は打撃不振で6月にファーム降格を味わうなど、打率.259、14本塁打、68打点。球団史上初のリーグ連覇を逃したが、得点圏打率.354と勝負強さは健在だった。他球団のスコアラーはこう分析する。
「岡本、村上宗隆(ヤクルト)のような派手さはないですが、チャンスの場面できっちり走者を返す。打撃タイトルと縁がないですが、広い甲子園球場を本拠地にしていることが影響しているでしょう。セ・リーグの在京球団でプレーしたら30本塁打を軽くクリアできると思います。大山が守れる一塁、三塁のレギュラーを固定できていないチームは多いですし、FA権を行使するとなれば複数球団の争奪戦になることは間違いないでしょう」
「永遠のライバル」間のFA移籍は実現するか
大山は昨オフの契約更改で球団側から複数年契約を提示されたが、単年契約を結んだことが報じられている。阪神を取材するテレビ関係者は、「チームに不満があるとかではなく1年1年が勝負という思いが強いと思います。性格的にも冒険を好むタイプではないので、環境を変えず阪神に残留する可能性が高いと思いますが……。阪神としても、来季のV奪回に不可欠な選手なので全力で慰留することになるでしょう」と話す。
大山がFA権を行使すると、「永遠のライバル」と形容される巨人、阪神の球団間で争奪戦も予想される。この2球団の間でFA移籍が実現したことは過去に一度もない。
岡本のメジャー挑戦を巨人が今オフに容認するか。そして、その場合に巨人がどのような補強策に動くか。今年のオフは激動があるかもしれない。
(今川秀悟)