バイオリニストの高島ちさ子
この記事の写真をすべて見る

 バイオリニストの高嶋ちさ子(56)が先月、ボトックス注射によって顔に異変が起きたことを公表した。ボトックスといえば、メスを使わずにシワやエラ張りを改善できる“プチ整形”として幅広い世代に人気を集めているが、軽い気持ちで手を出すと、「こんな顔になりたかったわけじゃないのに……」と残念な結果を招くことも。ボトックスにまつわるトラブルについて、美容外科医に聞いた。

【写真】美容整形に1000万円以上かけた女優はこちら

*  *  *

 9月、高嶋は出演したバラエティー番組の中で「夏休みの悲劇」として、韓国で受けたボトックス注射の失敗談を明かした。

 おでこのシワが気になっていた高嶋はこの夏、眉間へのボトックス注射を試したそうだ。その際、医師に「(薬剤が)余ったからサービスで打ってあげる」と言われ、顔面の他の部位にも注射。するとその後、薬剤が効きすぎたせいで鼻の下の皮膚が伸びきってしまった。テレビ番組で高嶋の姿を見た父親からは、「おまえの顔、どうしたんだ? カラス天狗になってるぞ」と電話がかかってきたという。

 幸いにも、「今、笑うと、やっと歯が半分出るようになった」と、回復に向かっている様子だったが、本人の中では「涙なくしては語れない」苦い思い出となったようだ。

 一般に言う「ボトックス」とは、ボツリヌス菌から抽出したタンパク質である「ボツリヌストキシン」を含む製剤のこと(※ボトックスは米製薬大手・アラガン社の製品名だが、本記事ではボツリヌストキシン製剤の通称として使用)。筋肉の緊張を和らげる効果があるため、注射するとシワ改善や小顔効果が期待できる。

 しかし高嶋のように、注射後のトラブルを訴える人は少なくない。国民生活センターには、「笑うと左口角が上がらなくなった」「顔全体が垂れ続けた」「左目が半分開かなくなった」といった相談が多数寄せられている。

著者プロフィールを見る
大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

大谷百合絵の記事一覧はこちら
次のページ
予想外の事態が起きるわけ