産経新聞社が発行する夕刊紙「夕刊フジ」が来年1月で休刊する。創業から55年。「オレンジ色のニクい奴」のキャッチコピーでサラリーマンに愛されてきた。同紙で連載を担当していた、漫画家で元グラビアアイドルの日向琴子(ひゅうがことこ)さん(48)やルポライターの國友公司さん(32)に、夕刊フジでの思い出や仕事について語ってもらった。
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「夕刊フジがグラビアデビューのきっかけでした」
そう話す日向さんは、「ラブホテル評論家」の顔も持つ。ラブホテル事情に精通しており、テレビやラジオなどでも活躍している。
日向さんは2005年から約1年半、水着姿でラブホテルの取材をする夕刊フジの木曜日の連載「私をラブホに連れてって」を担当した。
1カ月に4回、ラブホテルの取材
夕刊フジとの出会いについて、日向さんが話す。
「28歳のとき新宿で、グラビアアイドルにならないかとスカウトされました。そこの事務所で夕刊フジの連載を紹介されたのがきっかけです」
夕刊フジ側からの依頼が事務所にあり、日向さんに白羽の矢が立った。日向さんは1998年から漫画家として活動しており、グラビアアイドルのデビュー時も、恋愛漫画を数作品担当していたという。漫画家人生で培ったやる気と根性は、誰にも負けないと思った。
1カ月に4回、都内近郊のラブホテルに行き、同行する夕刊フジの記者と一緒に、ラブホテルの経営者らに取材し、撮影をした。取材を続けていくと、それまでラブホテルに抱いていた価値観が変わったという。
「最初はラブホテルのことを何もわかっていませんでした。経営者はヤクザが多い、食事はおいしくないなど、周りでもあまり良くないイメージで語られることが多くて…。ところが、実際に取材をしてみるとそんなことはありませんでした。むしろ、現場で働く人たちの一生懸命さに“ほれて”しまいました。ラブホテルはすごくきれいに維持されていて、その裏側には、現場の人たちの努力がある。そんな施設の魅力を伝えたいと思うようになりました」