更年期が終わるとすぐに老年期。体はますます老化していく。更年期をどう健やかに過ごすかで老年期の質も変わってくるはずだ(写真:鈴木愛子)

吉川:日本ではまだ1~2%程度じゃないかな。乳がんになるかもしれないと怖がる人も多いんだけど、待っていた新しい薬も承認されましたし、きちんと調査されて、HRTが乳がんリスクに及ぼす影響はとても小さいという結果が出ています。HRTは日本でも標準治療として保険適用されているし、オーストラリアの50%以上を筆頭に、カナダ、フランス、北欧の国々と先進国の女性たちがこの治療を受けている。歴史があって、安全性が確立されていて、薬価の安いお薬が使えるんです。もちろん治療が受けられない人もいるので、まずは正しい情報を知ること。怖いっていうのは勉強不足なだけ。HRTをするしないにかかわらず、乳がんは今や9人に1人がかかります。定期検診を必ず受けてください。

医療の助け借りていい

北原:更年期の場合、日本の女性は自然に任せるのが一番として何もしない人は多いけれど、胃痛で胃薬を飲むように、医療の助けを借りることを、普通に取り入れていいと思う。そもそもホルモンについて、私たちはあまり知識がないですが、男女ともに私たちの健康を調節するのがホルモンですよね。特に女性は女性ホルモンによって守られ、調節されている。自分の身体を調節するような感覚で、様々なことを試してみるとよいと思うんです。一番つらい時にHRTをして、それからは医療ではなく、新しいことに挑戦することで前向きになったり、運動をするようになって元気になったりする女友だちもいます。とにかくこの時期を気持ちよく乗り切ろうよって思う。

吉川:漢方薬もいいから、それを取り入れるのもいいと思う。みのりさんがさっき「気持ちが落ち込む」と言ってたけど、私はこの年代の女性がうつっぽくなったとき、まず婦人科に行った方がいいと思っているの。その気分の不調は、女性ホルモンが減ったことによる一時的なことかもしれないから。女性ホルモンを補充することで改善することはよくあります。

北原:そうですよね。更年期世代の女性の不調は、うつでも、めまいでも、まずは婦人科に行くといいかもしれませんね。

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大きな病気の窓口にも