阪神・佐藤輝明
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 今年4年ぶりのリーグ優勝を飾ったソフトバンク巨人は、失策数がリーグ最少という共通点がある。守備が強固なチームは大崩れしない。首位争いを繰り広げた阪神はリーグ5位の84失策。巨人は58失策だ。(10月2日現在)

【写真】守備力が高い二塁手が多い中、目立つのはDeNAのこの人

「本拠地の甲子園が土のグラウンドで、人工芝よりゴロ処理が難しいことを配慮しても、阪神は失策の多さが目につきました。特に気になったのが三塁の佐藤輝明です。23失策はリーグワーストで送球ミスが目立つ。マイペースに見えて、責任感が強い選手です。チームに迷惑を掛けたくないという思いがあったでしょう。さらに動きが硬くなっているように感じました。打席に集中するためにも、外野へのコンバートを検討すべきだと思います」(阪神担当のスポーツ紙記者)

 8月9日の広島戦(京セラドーム)で、0-0の2回2死一、二塁で佐藤は林晃汰の三ゴロを一塁に悪送球し、先制点を献上、試合も敗れた。同月28日のDeNA戦(横浜)でも、宮崎敏郎の強烈な打球を好捕したが、送球が浮いて失策になった。9月8日のヤクルト戦(神宮)では信じられないミスが。2点ビハインドの3回1死で長岡秀樹の平凡な飛球で落下地点に入ったが、まさかの落球。その後の2死一、二塁から3ランを浴びて試合は3-5で敗れただけに、痛いエラーとなった。

 佐藤は新人の21年に外野をメインに守っている。三塁から再コンバートはすぐに対応できるだろう。一塁の大山悠輔を三塁、肩が弱い前川右京を外野から一塁に回すことで攻撃力を落とさず、守備力の強化を図れる。佐藤は今季打率.271、16本塁打、69打点をマーク。5月に打撃不振でファーム降格を味わったが、6月に再昇格以降はポイントゲッターとして活躍した。得点圏打率.325で本塁打を打った試合は12勝3敗。守備のストレスが軽減することで、打撃でさらなる活躍が期待できる。

 阪神は西勇輝、大竹耕太郎、村上頌樹、伊藤将司など制球力や緩急を駆使し、内野ゴロでアウトの山を重ねるタイプの投手が多い。打ち取ったと思ったのに内野の失策で走者を背負うことになるとリズムが狂う。野手のミスを投手がカバーすることも重要だが、強固な守備力でアウトを重ねれば、テンポよく投げられる。佐藤を三塁で鍛え直すか、外野にコンバートするか気になるところだ。

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楽天・浅村の打撃不振の原因は三塁コンバート?