三谷幸喜監督の5年ぶりとなる新作映画「スオミの話をしよう」が9月中旬から上映されている。主演を務めるのは、人気女優の長澤まさみ(37)だ。三谷監督が「長澤まさみの映画を撮る」という思いから企画が始まり、すべて“当て書き”で書き上げたという本作は、豪華出演陣がメディアで連日プロモーションをした効果もあってか、公開初週は大入り状態で好スタートを記録。「興行収入は30億円超え」とメディアが報じている。
しかし、ここに来て微妙に風向きが変わってきたようだ。映画雑誌の編集者はこう語る。
「長澤さんや三谷監督がテレビに数多く露出して宣伝したので、公開初週こそ好調だったのものの、いざフタをあけてみると『内容がつまらない』『三谷監督の駄作、ギャラクシー街道並みのひどさ』とSNSや映画レビューサイトでは酷評の声が上がっています。こうした口コミが広がり、集客数も鈍くなっているようです。三谷監督は本作で長回しを多用するなど舞台を意識した作品に仕上げたようですが、正直、ストーリーは既視感もあって厳しいレベル。興収13億円程度に終わった『ギャラクシー街道』でも夫婦を主軸としたラブコメを描いて酷評されましたが、『スオミ~』も同様で夫婦ラブコメ要素が強く、描写がどうしても薄いと言わざるを得ません」
こうしたなか、「長澤まさみがいたからなんとかなった」と言うのは民放ドラマ制作スタッフだ。
「長澤さんが孤軍奮闘し、彼女の存在感でなんとか作品が成立しています。劇中、流暢に中国語を話したり、タクシー運転手になったりと、ひとりでいろんなスオミを演じ分け、中学生時代も子役ではなく本人が演じるという徹底ぶり。ミュージカルシーンでは圧倒的な歌唱力を披露していますし、作品の完成度とは裏腹に女優・長澤まさみのすごみを感じることができる、非常に不思議な作品となりました。興行収入は最終的に30億円には届かないかと思いますが、25億円前後になるのでは、というのが業界の予想です」