過去にも中日には名古屋を愛し、そして愛された外国人選手が在籍した。

 台湾人選手では、本塁打王となった大豊や通算100勝100セーブを達成した郭源治は現役引退後、ともに名古屋で飲食店をオープン。郭源治は始球式にも登場するなど、いまだに関係が続いている。また今年7月には中日のOB戦が行われ、韓国出身の宣銅烈、李鍾範が参加。李鍾範は「23年ぶりにドラゴンズのチームメート、名古屋のファンの皆さまにお会いできることを考えると、胸がいっぱいになります」と古巣への愛を語っている。息子の李政厚は名古屋生まれで現在はMLBのサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーしている。

 また、先にも触れたアリエルは昨年の交流戦で“元本拠地”に帰還した際、「やっぱり居心地がいい。この球場が恋しいと思ったこともたびたびある」(2023年6月17日付/中日スポーツ)とコメントするなど、名古屋へ愛着は消えていないようだ。

 野球に関する飛び抜けた資質があっても、精神面が安定しなければパフォーマンスに悪影響を及ぼす。中日の外国人選手は心地よい環境でプレーできてるからこそ、素晴らしいパフォーマンスを見せられる選手が多いのかもしれない。

 今オフはここまでチームに欠かせない存在となったビシエドとライデルの去就も注目されている。もちろん、ビジネスの世界であるため、お金も重要な要素となるだろうが、チームへの愛も今後を左右しそうでもある。

 ビシエドは退団が濃厚とされているが、監督を含め体制が変わることで「移籍せずに中日残留の可能性もゼロではない」とまで言われる。

「(ビシエドは)2019年からは球団納会にも参加するなど、チームと名古屋を心から愛している。他球団のユニホームを着ることが想像できないのではないか」(野球専門メディア編集部)

 また、ライデルは今季が2021年オフに結んだ3年契約の3年目。今やNPB屈指のクローザーなっただけに、争奪戦となる可能性が高そうだが……。

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