4月に日本赤十字社に就職され、初めての夏休みを過ごされた愛子さま=2024年9月12日、栃木県那須町
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 初めてのおひとりでの地方公務として、能登半島地震の被災地を訪問する予定だった天皇、皇后両陛下の長女、愛子さま。記録的大雨による被害を受けて取りやめとなったが、今春から日本赤十字社に就職した愛子さまには期待される「役割」があると、象徴天皇制に詳しい名古屋大学准教授の河西秀哉氏は指摘する。

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 宮内庁によると、愛子さまは9月28日から1泊2日の日程で石川県を訪問し、能登半島地震からの復興状況を視察される予定だった。

 しかし、能登半島北部は記録的な大雨に見舞われ、宮内庁は24日、愛子さまの訪問の取り止めを発表した。現地では各地で土砂崩れや道路の損壊、住宅の流出などの被害があり、現在も行方不明者の捜索が続いている。
 

 当初の予定では、東京から新幹線で金沢市に入り、馳浩知事から復興状況について説明を受けた後、志賀町の仮設商店街やボランティアの受付会場などを視察。翌日には、多くの旅館やホテルが被災した七尾市の和倉温泉を訪ね、復興支援の一環として開かれる「能登和倉国際女子オープンテニス2024」を観戦予定だった。
 

愛子さまの訪問に大いに意義が

 象徴天皇制に詳しい名古屋大学准教授の河西秀哉氏は、今回の被災地訪問の取りやめは仕方のないこととしたうえで、今後、愛子さまが被災地を訪問されることには「大いに意義がある」と話す。

 河西氏によると、かつては災害の被災地に出向くのではなく、国民の安寧のために祈りを捧げることが天皇の「務め」とされてきた。

 しかし、現在の上皇さまは「国民と苦楽を共にする」ことが天皇の務めという考えのもと、被災地訪問を天皇の果たすべき仕事のひとつと考えてこられたという。

 その姿勢は、上皇さまの姿を皇太子時代に見てきた天皇陛下に、そして次世代の愛子さまに引き継がれつつある。

「天皇陛下の“娘”が訪れるとなると、迎える側のとらえ方も大きく異なります」

 と河西氏は話す。

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愛子さま世代との交流の可能性も