個人投資家の桶井道(おけいどん)さんの連載「おけいどんの投資&適温生活LIFE」。今回のテーマは株初心者がはじめに知っておきたい「国・地域の分散」の考え方について。桶井さんの著書『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)の一部を抜粋し、編集しました。
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私が投資で意識していることは「国・地域の分散」です。私は「世界分散」または「地球儀投資」と呼んでいます。「何のことだかわからない」「なぜ、日本株だけじゃダメなのか、なぜ米国株だけじゃダメなのか、なぜ米国以外の外国株が必要なのか、なぜいろんな国の株を買わなきゃいけないんだ」という不安や疑問の声が聞こえてきそうなので、それぞれ具体的に答えていきましょう。
疑問1 日本株だけでいい?
「日本人だもの、日本株だけでいいんじゃないの?」とお考えのあなた、はっきり言って「自国バイアス」に陥っています!バイアス(bias)とは偏りや先入観、偏見という意味の言葉です。「自国バイアス」とは自国資産への投資配分比率が海外資産への配分比率よりも大きい状態のことです。
日本の現状から、資産を日本円だけで持つと、この先、円の価値が低くなる見込みです。そうなると、インフレヘッジ(*1)が出来ません。一方、米国株を持てば、仮に株価が同じでもドル高円安なら日本円換算の評価額(つまり資産)は増えます。また、米国企業は株主還元(*2)の意識が日本企業より強いです。そして業績の成長力も概して日本より強力です。
よって、日本で「自国バイアス」にとらわれていては良くないでしょう。そのためにやるべきことは、「米国株にも投資」することです。
疑問2 米国株だけでいい?
日本で「自国バイアス」がよくなくて、「米国株にも投資」することをおすすめするなら、米国株だけじゃダメなの? と言われそうです。結論から申し上げると、おすすめできません。それはそれで今度は「米国株バイアス」に陥っていることになります。