イラスト/西田ヒロコ
この記事の写真をすべて見る

 個人投資家の桶井道(おけいどん)さんの連載「おけいどんの投資&適温生活LIFE」。今回のテーマは株初心者がはじめに知っておきたい「国・地域の分散」の考え方について。桶井さんの著書『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)の一部を抜粋し、編集しました。

 *  *  *

私が投資で意識していることは「国・地域の分散」です。私は「世界分散」または「地球儀投資」と呼んでいます。「何のことだかわからない」「なぜ、日本株だけじゃダメなのか、なぜ米国株だけじゃダメなのか、なぜ米国以外の外国株が必要なのか、なぜいろんな国の株を買わなきゃいけないんだ」という不安や疑問の声が聞こえてきそうなので、それぞれ具体的に答えていきましょう。

 疑問1 日本株だけでいい?

 「日本人だもの、日本株だけでいいんじゃないの?」とお考えのあなた、はっきり言って「自国バイアス」に陥っています!バイアス(bias)とは偏りや先入観、偏見という意味の言葉です。「自国バイアス」とは自国資産への投資配分比率が海外資産への配分比率よりも大きい状態のことです。

 日本の現状から、資産を日本円だけで持つと、この先、円の価値が低くなる見込みです。そうなると、インフレヘッジ(*1)が出来ません。一方、米国株を持てば、仮に株価が同じでもドル高円安なら日本円換算の評価額(つまり資産)は増えます。また、米国企業は株主還元(*2)の意識が日本企業より強いです。そして業績の成長力も概して日本より強力です。 

 よって、日本で「自国バイアス」にとらわれていては良くないでしょう。そのためにやるべきことは、「米国株にも投資」することです。

 疑問2 米国株だけでいい?

 日本で「自国バイアス」がよくなくて、「米国株にも投資」することをおすすめするなら、米国株だけじゃダメなの? と言われそうです。結論から申し上げると、おすすめできません。それはそれで今度は「米国株バイアス」に陥っていることになります。

著者プロフィールを見る
桶井道(おけいどん)

桶井道(おけいどん)

桶井 道 (おけいどん) 個人投資家(投資歴20数年)・物書き。 1973年生まれ。会社員人生25年間「労働+節約+貯金+投資」の歯車を回し続けて、2020年47歳で資産1億円とともに早期退職した。それから3.5年で資産を1.8億円にまで成長させる。投資先は世界30か国の高配当株や増配株、ETF、REITなど幅広い。 現在は両親(父は難病で要介護5、母はがんサバイバー)の介護・見守りをしつつ、物書きとして第二の人生を満喫している。子ども食堂への支援も行う。 著書は『今日からFIRE! おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術』『月20万円の不労所得を手に入れる! おけいどん式 ほったらかし米国ETF入門』(ともに宝島社)、『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)、『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式 高配当株・増配株 ぐうたら投資大全』(PHP研究所)など。連載は「アエラドット」「マネー現代」「プレジデントオンライン」。 ◆ブログ『おけいどんの適温生活と投資日記』 https://okeydon.hatenablog.com ◆著者による書籍 https://www.amazon.co.jp/stores/%E6%A1%B6%E4%BA%95-%E9%81%93/author/B08Y93HR3H?ref=ap_rdr&isDramIntegrated=true&shoppingPortalEnabled=true

桶井道(おけいどん)の記事一覧はこちら
次のページ
米国といえども市場が低迷するときもある