たしかに米国は様々な点で世界最強の国です。株式市場も同様です。米国企業も同様です。とはいえ、どんな国も景気循環があります。好景気と不景気がサイクルでやってきます。ですから、米国といえど株式市場が低迷することはあります。
米国株式市場でもっとも注目されているS&P500という株価指数の推移に注目してみましょう。S&P500は、わかりやすく端的に表しますと、「米国のエース級500社に投資するもの」と考えてください。2022年から2023年にかけては冴えない状況でした。一方で、日本株は2022年ではそこまで悪くなく、2023年では好調でした。2024年はついに日経平均株価が史上最高値を更新しました。
つまり、「米国株バイアス」も万能ではないということです。ですから、「日本株にも投資」しておいたほうがいいと考えます。
疑問3 日本株と米国株だけでいい?
疑問1、疑問2の解説を読んで、「よし、わかった! 日本株と米国株に投資すればいいんだね」という声が聞こえてきそうです。
そんなことはありません。
カナダにも英国にもオランダにもオーストラリアにも魅力的な上場企業があります。世界一の半導体受託製造企業TSMCは台湾にあります。今後は2023年に人口が世界№1になったインドが世界経済の主役級になるかもしれません。
じつは、世界株への投資は決して珍しい手法ではないのです。日本株投資は昔から多くの投資家がしています。米国株投資も2019~2020年あたりにブームが起こり、珍しいものではなくなりました。さらに、それ以外の外国株へも、米国株と同様に投資できるようになりましたので身近なものになりました。
場所を日米に限定してしまうのではなく、視野を広く持ち世界各国の優良企業を選択したいものです。本社を置く国は意識せず、日米以外の優良企業にも投資しましょう。 ただし、スタートは日米からでも構いません。
疑問4 世界の株式に投資する投資信託だけでいい?
「そういえば、世界の株式に一度に投資できる方法があるって聞いたことがあるから、それでいいんじゃない?」と思われたでしょうか。
はい、あります。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(以下、「オール・カントリー・ワールド・インデックス」と書きます)という指数のことで、投資信託で人気のある銘柄です。ETFもありますね。