左から小泉進次郎氏、高市早苗氏、石破茂氏
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 いよいよ明日に迫った自民党総裁選。各メディアの情勢調査では、高市早苗経済安保相、石破茂元防衛相、小泉進次郎元環境相の3つどもえとされるが、誰が抜け出すのかは全く予測ができない。そんな中、立憲民主党は23日、野田佳彦元首相を新代表に選出した。野党第1党の党首として野田氏が最も「相手にしやすい候補」は3人のうち誰なのか。野田グループの関係者や立憲民主党議員らを取材した。

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「リベラルに寄りすぎていた立憲民主党を中道保守の政党に振り切るために、立憲の党員・協力党員や議員らが総力を挙げて野田さんを代表に選出したんです。穏健な保守を支持層に取り込みたい野田さんとしては、自民党総裁選の有力候補3人の中では、石破さんの考えが一番近い。その意味では、手ごわい相手だとも言えるし、裏を返せばやりやすい。政策で意見交換しやすい相手でもあると思います」

 代表戦で野田氏を支持した立憲関係者はこう語る。

 野田氏と石破氏はどちらも1957年生まれの67歳。政治家として、浅からぬ縁もあるようだ。

 石破氏は1993年、自民党を一度離党し、小沢一郎氏が率いる新生党に加わった。その後、小沢氏とともに新進党の結党にも参加したが離党。97年に自民党に復帰した経緯がある。一方、野田氏も新進党の結党に参加したが96年に離党し、98年に民主党に入党した。

 新進党の結党に参加した過去も含め、政治的スタンスは決して遠くない。前出の立憲関係者は言う。

「かつては石破さんの政治的スタンスは野党だったわけだから、今でもわりとリベラルなところがある。野党としては戦いにくくもありますが、石破さんが首相となれば、自民党の内部でゴタゴタが生じるかもしれない。たとえば、総選挙で裏金議員を本当に非公認にすれば、党内でかなりハレーションが起こることは容易に想像できます」

 別の立憲関係者はこう指摘する。

「石破さんはこれまで何度も総裁選に挑戦してダメだった。国会議員に嫌われていると言われている中で、ここで総裁になれば、自民党的は変わったと示せるかもしれません。ただし、石破さんは自民党の中でも国会議員の味方が少ないので、首相になったとしても、政権運営はかなり難航すると思います」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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まさかの自民と「連立政権」も!?