スタートアップ。キャンパスで学生の会話からこんな言葉を聞くようになった。「大学発ベンチャー」ランキングをもとに、大学の強みを読み解いていこう。発売中のアエラムック「就職力で選ぶ大学2025」(朝日新聞出版)より紹介する。
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スタートアップとは先進的なアイデアや技術を使って、まったくのゼロからビジネスモデルを作り出し、短い期間で急成長するグループ、プロジェクトを意味している。この説明だけではピンとこないかもしれないが、アマゾン、アップル、グーグル、フェイスブック(現Meta)などを思い浮かべてほしい。これらグローバル企業はスタートアップである。
なぜ、学生はスタートアップを語るようになったのか。大学には先進的なアイデアや技術が集まっている。そしてこれらをビジネスへつなげる仲間となる学生、助言をする教員がいるからだ。学生は、これまでにない新しいものを作って、社会に役立たせる、人々を幸せにするという大きな夢を抱くことができる。
そんなことは社会人になってから取り組めばいい、という考え方もあろう。だが、IT技術の進歩、昨今では生成AI分野の急成長によって、こうした分野に長たけた大学生、大学院生が新たなビジネスの創出に挑戦している。古くはアップル、そして2000年代のフェイスブック誕生にあたっては、いずれもハーバード大の学生が関わっている。ビジネス用語でいうロールモデルとして、学生を多いに刺激した。
大学発ベンチャーの企業数
大学発ベンチャーの企業数(2023年10月時点)のランキングは以下の通り。
1位:東京大/420社
2位:慶應義塾大/291社
3位:京都大/273社
4位:大阪大/252社
5位:筑波大/236社
6位:東北大/199社
7位:東京理科大/191社
8位:早稲田大/145社
9位:名古屋大/143社
10位:立命館大/135社
※経済産業省「令和5年度産業技術調査(大学発ベンチャー実態等調査)」から