子役時代の鈴木杏(2005年)

多感な時期を過ごした長野への思い

 移住を報告した自身のインスタグラムでは「すでに東京で暮らしていた時と、考えることや調べることなどががらっと変わってきていておもしろいです」とつづっていた鈴木。長野への移住により、彼女の演技力はさらにパワーアップするかもしれない。

 エンターテイメントジャーナリストの中村裕一氏は、鈴木の魅力についてこう分析する。

「子役時代から卓越した表現力を発揮しており、たくさんの先輩俳優たちに囲まれた中でも存在感を放っていました。10歳の時に出演した『青い鳥』では長野のローカル線の駅舎でメーテルリンクの『青い鳥』を読みながら、そのつぶらな瞳で豊川悦司演じる主人公を見上げる表情が印象的でした。また、2000年の『六番目の小夜子』では、学校に伝わる不思議な言い伝えに立ち向かう主人公の中学生を演じ、山田孝之や栗山千明らとともにフレッシュで魅力あふれる演技を披露していました。ドラマや映画だけでなく、舞台でもシェークスピアから大人計画までジャンルを問わず活躍しています。しっかりと実績を残しており、スタッフやキャストからの信頼が厚いことがうかがえます。今回の移住については、多感な時期を過ごした長野県の自然が少なからず影響を与えたことは間違いないでしょう。今後、彼女が出演する作品に、良い形でフィードバックされることを期待しています」

 女優としてアーティストとして、ますます進化していく鈴木杏の今後が楽しみだ。

(高梨歩)

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