いつの間にか“魔性の女”に…
91年には映画「機動戦士ガンダムF91」の主題歌「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」がヒット。同年の年末には「NHK紅白歌合戦」に初出場し、以降6年連続で「紅白」に出場した。
「当時の私は世間からバラドルと認識されていたので、紅白出場によって『森口博子って歌手だったんだ』とやっとみなさんが気づいてくれたと実感しました。同期の売れっ子たちは全国でコンサートをしていましたが、私は『紅白』に出るまでツアーもやったことがありませんでした。デビュー6年にして、やっとスタートラインに立てたという思いでした」
紅白初出場の翌年(1992年)からは、初の冠番組「夢がMORI MORI」(フジテレビ系)でMCを務めた。
同期の井森美幸、1期下の山瀬まみと森口さんの3人はテレビ各局から引っ張りだことなり、「バラドル御三家」と呼ばれるようになった。ピーク時は12本ものレギュラー番組を抱えていたという。当時一緒に活躍した芸能人のなかで、今でも交流のある人はいるのだろうか。
「井森(美幸)とは電話で褒め合っています!堀越学園の同級生でもあり、色々な現場を一緒に乗り越えてきた大切な戦友ですね。荻野目ちゃん(荻野目洋子)とも今でも仲良しです。デビューが早いから芸能界では先輩ですけど、家族ぐるみで食事に行ったり、音楽の仕事の話で盛り上がったりしています」
森口さんは人気タレント、歌手となっていく一方で、私生活では独身生活を貫いてきた。過去には異性関係で“誤報”を書かれたことがあったと振り返る。
「スポーツ紙の1面に『スポーツ選手と熱愛』って書かれたことがありました。そして、信じられないことに、その2カ月後には『役者と熱愛』って報じられて。どちらもスタッフ同席で食事した程度の話だったのに、いつの間にか、男を手玉にとる“魔性の女”になってたんですよ(笑)」
そのときには、芸能リポーターからも直撃されたという。
「リポーターの方から『お付き合いしているんですか』『どんな関係なんですか』と矢つぎ早に聞かれたんですが、『デマなんです』と一生懸命説明しました。そうしたら、薄々分かっていたリポーターの方たちも、最後のほうはクスクスと笑っていました。そのうえ、(有名リポーターの)前田忠明さんからは『あなたが、彼氏を早くつくらないからこんなことになっちゃうんですよ』なんて突っ込まれて、現場は大爆笑でした」
実はそれからしばらくたって、彼氏ができたという。
「みなさんには気づかれなかったですね。それなのに、全然違う人とのうわさが記事になる。付き合っている人がバレなくて、付き合ってもいない人との関係がバレる(笑)。七不思議ですよ」