昭和薬科大学附属高校・中学校と、都立豊島高校の生徒が参加した「紙メディアの未来」をテーマにしたワークショップの様子。(撮影/写真映像部・和仁貢介)
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 インターネットが生活に欠かせないものになり、新聞や雑誌などを読む人がだんだんと減ってきている。若い世代ほどその傾向が強い。AERAサポーター高校の高校生記者たちと「紙メディアの未来」を考えた。AERA2024年9月23日号より。

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 若い世代を中心に新聞や雑誌など「紙メディア」離れが深刻な中、AERAが未来を歩むメディアになるにはどうしたらいいのか。今年度、始動したAERAサポーター高校生記者たちと考えた。

 今回参加したのは、大学のオープンキャンパスや企業訪問のため東京に来た沖縄県の昭和薬科大学附属高校・中学校の生徒9人と、東京都立豊島高校の生徒1人。事前に、「メディア生存戦略」特集を組んだAERA2024年6月24日号を送付し、それぞれ目を通してから集まった。初めてAERAを読んだという生徒も多い中、まずは印象を共有し合った。

「文春オンライン」やシニア向け女性誌「ハルメク」の戦略を取材した巻頭特集以外にもマネーや福祉、エンタメやアートなど多様な記事に触れ、「いろんなジャンルの記事があって、一気に情報が入ってきやすい」「ひとつのネタでも、どのように載せるか様々なパターンがあるのに驚いた」との感想が出た。

文字小さくて漢字多い

 一方でこんな意見も。

「文字が小さくて、漢字が多く、読み始めるのに気力がいる」

「日頃からあまり雑誌は見ないが、読んでみると文章が長くて、最後まで集中力が続かなかった」

 当日の参加者らに回答してもらった事前アンケートでは、普段雑誌を「読まない」との回答が約6割。活字に慣れていない生徒たちにとって、記事の文章の長さや、文字量は負担が大きいようだ。一方、「日々の生活の中でニュースをチェックする」と回答した生徒は約9割。現在の高校生も含まれる「Z世代」は、環境や人権の問題など社会的課題に関心が高いと言われるが、アンケートでも同様の結果だ。ニュースの入手先は1位がテレビ、2位がYouTube、3位がニュースサイトで、新聞や雑誌の紙メディアは下位。文字より動画に親しんでいる状況だ。

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紙メディアは情報が多すぎて読み取りにくい