かつて「コスプレ姿」で始球式に登場したことも(2008年)

少年漫画誌で連載もスタート

 一方、女性週刊誌の記者は「70歳になったのに、斬新な企画や面白そうなことにどんどんチャレンジしている姿も好感を持たれている」と話す。

「昨年11月から、『月刊少年チャンピオン』で『マツケンクエスト~異世界召喚されたマツケン、サンバで魔王を成敗致す~』という冒険ファンタジー漫画がスタートし、ついに漫画のキャラクターにもなりました。松平は番宣で『マツケンサンバⅡ』の扮装(ふんそう)で情報番組にVTR出演しましたが、サンバと暴れん坊が合体したイメージの役ゆえ、『漫画の世界でも暴れられたら面白いと思います』とコメントしていました。しかも、自ら漫画のチェック作業もして、刀の持ち方に修正を依頼したそうです。ハッピーで陽気な『マツケンサンバ』ですが、松平の“大御所なのに何でもあり感”が若者の心をつかんでいるのでしょう」

 芸能評論家の三杉武氏は、リバイバルブームの背景に松平の“師匠”の存在を指摘する。

「松平さんは大御所になってからも変わらず実直な人柄で、偉ぶらない態度だと業界内では広く知られています。かつて勝新太郎さんの付き人時代をしていた時期もありましたが、役者としてだけでなく、付き人としてもとても優秀だったと勝プロダクションの元関係者の方から聞いたことがあります。豪放磊落(らいらく)、破天荒なエピソードには事欠かない師匠とは一見役者としては異なるタイプにも思える松平さんですが、『マツケンサンバⅡ』を見ていると表現の違いこそあれ、両者に相通ずる類まれなるサービス精神やプロ意識の高さがあり、改めて驚かされます」

 若い世代にも浸透した「マツケンサンバ」は、これから時代を問わず愛される名曲になっていくかもしれない。

(丸山ひろし)

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