静養先から東京駅に到着した天皇ご一家=9月5日、読者提供
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 12日、天皇、皇后両陛下と長女の愛子さまは那須御用邸(栃木県)で静養に入られた。4月から日本赤十字社で嘱託職員として勤務する愛子さまにとって、就職後初めての夏休み。愛子さまは「また今年もこのようにして家族で那須に来ることが出来たことをとてもうれしく思っております」と笑顔を見せられた。そんな愛子さまの昨年のご静養や幼い頃の夏の思い出にまつわる過去の人気記事を振り返る(「AERA dot.」2023年9月6日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。

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 天皇ご一家が9月5日、栃木県の那須御用邸での静養から帰京した。JR東京駅の構内には集まったのは、ご一家の到着を待つ人たち。その中にご一家への「プレゼント」を抱えた人がいたことで、その場で手荷物検査が始まる事態になった。にぎやかな現場に緊張を走らせた、その理由は――。

 JR職員の誘導で天皇ご一家が新幹線の改札から姿を見せると、お迎えをしようと集まった人たちから歓声が上がった。

「ゆっくりできましたか」

 奉迎者から声が飛ぶと、雅子さまは声の方向を向いてほほ笑み、会釈をした。愛子さまも手を振り、にこやかにあいさつをしながら足早に去っていった。

 しかし、その数十分前、駅の構内にはピリピリした空気が張り詰めていた。というのも、ご一家を待つ人たちの中に、透明な袋でラッピングしたブタのぬいぐるみを持つ奉迎者がいたからだ。

「あのぬいぐるみは危険ではないのですか」

「爆発物であったら?」

周囲からの声に、奉迎者の整理にあたっていた警察官たちの空気は一変。奉迎者を対象に手荷物検査が始まり、警察官から注意喚起が繰り返された。

「プレゼントは、天皇ご一家には渡せません。物はすべてカバンにしまってください」
 

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那須で起きていた「ハプニング」