FPが0.95より大きいと「顔の下半分」は長め。小さいと短め。LPが3より大きいと「鼻の下」は短め、小さければ長め

 その結果、加齢で見た目が変わってしまうのは、シワやたるみ、肌の状態などだけではないことに気づいたのです。老けて見える人は、鼻の下からあごまでが長く、さらに鼻の下から口までのラインも長い傾向にありました。そして、年齢とともに顔の筋力が弱くなることで、鼻から口まで、もしくは鼻からあごまでの距離、つまり「顔の下半分」が微妙にのびて顔のバランスが崩れていたのです。

 顔の見た目年齢を大きく支配するのが「顔の下半分」と発見した私は、「フェイシャルプロポーション(FP)」と「リッププロポーション(LP)」という顔の新しい基準を考えました。簡単にいうと、FPは顔の上半分と下半分の長さの割合で、LPは顔の下半分と鼻の下から口のラインまでの長さの割合のことです。

 顔の下半分と上半分がほぼ同じ長さ、または顔の下半分のほうが少し短いこと。さらに、鼻の下から口の中心のラインまでの長さが、顔の下半分の長さの3分の1程度だと美しく若く見えるバランスなのです。鼻の下が長すぎると間が抜けたような顔になりませんか?

なぜ加齢とともに「長くなる」のか

 鼻の下の長さは意外と大事。そして、顔のエクササイズでバランスは変えられます。そもそも、なぜ、加齢とともに顔の下半分が長くなってしまうのでしょうか。

 顔の皮膚の下にはさまざまな筋肉があります。その数およそ50種類。そして50種類のうちの30種類は、喜怒哀楽などの多様な表情をつくり出すために必要な筋肉群である表情筋だといわれています。

 人間の複雑な表情は、前頭筋、頬筋、上唇挙筋、咬筋、口輪筋などさまざまな筋肉が相互に作用してつくり出しています。筋肉というと胸部の大胸筋や太もものハムストリングなど、太くて厚みのあるものを思い浮かべるかもしれませんが、表情筋はとにかく薄い。これらが皮膚の下を縦横無尽に走り、顔を支える土台となっています。そして種類が多いわりに量は少なく、顔の筋肉量は人間のカラダ全体の筋肉のたった1%前後といわれています。

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