元アジアンの馬場園梓(画像=吉本興業提供)
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 2021年にお笑いコンビ「アジアン」を解散し、ピン芸人として活動する馬場園梓さん(43)。9月から11月にかけて東京、大阪、山形で単独ライブ「BBZ selection」を開催するなど着実に歩みを進めています。40歳で解散を経験し、改めてかみしめるコンビの意味。そして、将来への思い……リアルな「今」を吐露しました。

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 9月(東京)、10月(大阪)、11月(山形)と単独ライブをさせてもらうことになりました。去年、一念発起してピンネタの単独ライブを始めたんですけど、これがね、なかなか難しいものでした。

 コンビの時とは何もかも違う。正解が分からない。回を重ねるごとに楽しさも分かってきたので、少しホッとはしているんですけど、今もまだ迷いの中にいます。

 コンビだったら自分が好きなことを言っても、つっこんでくれる人がいるわけです。ムチャクチャなことを言っても、修正なり、訂正なり、乗っかったり、どんな形かでケリをつけてくれる。二人の会話として、最後は笑いになります。

 コンビ時代は、なんて言うんでしょうね、言葉が軽くなるかもしれませんけど、信頼と言うんでしょうかね。「この人となら何をやっても楽しくなる」という思いがありました。二人だからできたこと。今、そのありがたさをかみしめてもいます。

 でも、一人となると、それを全部私だけで完結させないといけない。一人でどう広げて、どう終わらせるのか。一番ぶつかっているのがその壁です。

 ピンのネタは完成形が分からないというか、極端な話、舞台に出てからでも「あ、こっちのほうがいい」となったら、その場で変えられますからね。漫才と違って、自分一人のネタですから。だからこそ、どこまでもベストを探せるし、探さないといけない。

 どこまでやったらいいのかが分からない。それが本当にしんどくもあるんですけど、面白くもあるなと。最初からピン芸人だったら、それが当たり前なので何も感じなかったのかもしれませんけど、自分には常に相方がいたので、余計にそこを感じているんだとも思います。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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吉本にいても何か意味があるのかな