兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑をめぐり、県議会の調査特別委員会(百条委員会)が県職員アンケートの中間報告を23日に公表した。パワハラ以外にも、贈答品を受け取っていたとの指摘も出ており、政治資金パーティー券の購入依頼や阪神・オリックスの優勝パレードにかかる裏金疑惑など「政治とカネ」の問題についての記述もあった。アンケート結果や斎藤知事の一連の行動や言動について、元宮崎県知事の東国原英夫氏は知事としての資質や「政治とカネ」の問題について厳しく指摘する。
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百条委の23日の中間報告によると、アンケートには職員全体の約7割にあたる約6700人が回答し、8月5日までに回答があった約4500件についてまとめた。回答者の9割が無記名だが、実名での記入が333件あった。
アンケート結果に斎藤知事は「残念な思いだ」
「市内での視察の際、知事がエレベーターに乗ろうとすると目の前でエレベーターの扉が閉まり、乗り損ねたことに激怒して、エレベーター前にいた県職員に、施設の職員も見ている前で『お前はエレベーターのボタンも 押せないのか』と大声で怒鳴りつけた」
「ばばたんペイのうちわ作成の際に、一度知事の顔写真が入っていなかったものを作成していた。それを知事協議の際に報告すると激怒され、急遽知事の顔写真入りのうちわが作り直されることになった」
「怒るとバンバン机を叩きだす」
パワハラについては他にも多くの声が出ており、同日に行われた会見で百条委は、
「(県の)最高幹部がパワハラなどの行動を目撃している」
と明らかにしている。
しかし、斎藤知事はその後の報道陣の取材に対し、
「これだけ多くの職員が回答している事実に接し、大変残念な思いだ」
などと述べた。
斎藤知事のこれまでの言動やアンケートで書かれたことに対して、2007~11年に宮崎県知事を務めた東国原英夫氏は、
「県職員の方が覚悟をもって、アンケートに協力している。今の県政を変えたいと強く願っている表れだ」
と指摘し、こう続けた。