元宮崎県知事の東国原英夫氏

「ここまで批判が相次ぎ、数百人の県職員が実名でアンケートにも協力している現状でも斎藤知事が辞めないのは、今後の進退を考えてのことではないでしょうか。斎藤知事のなかに、衆院選に出るとかの“野望”があるはず。ここで辞めれば全てを認めてしまうことにもなるから、政治の道を絶たれてしまうと捉えているのでは」

 との見解を述べた。

 そして、自身の知事の経験から、知事には“悪魔的な魅力”があると説明する。

「人事権や予算権も握れるから、自分が偉いと勘違いしてしまう知事が多いと感じています。リーダーシップと権力との使い分けをできないのは、知事の素質をもっていないと言えるでしょう」

東国原元知事「ゼロからやり直した方が……」

 東国原元知事はそう言い、斎藤知事に対しては、

「清く辞職をして、出直し選挙をしたほうが潔白さは担保できる。ここまで炎上をしているのなら、出直し選挙としてゼロからやり直したほうが、見栄えが少しはまともになるのではないでしょうか」

 と辞職を勧める。

 東国原氏によれば、斎藤知事が辞職をしないもう一つの理由としては、パワハラなどの一般的な道徳問題の方を注目させて、政治的な問題をぼやかすためではないか、と言う。

 元県民局長の男性が斎藤知事の不祥事に関する告発文章を報道機関に送ったのは、今年3月12日。斎藤知事は同月20日に告発を認識し、告発者の特定などの内部調査を指示した。結果、男性は4月に県の通報窓口にも通報するが取り扱ってもらえず、県は5月に男性を停職3カ月の懲戒処分としている。「死をもって抗議する」。そんなメッセージを残し、男性は7月に死亡した。

 東国原氏は

「知事の行動は告発者を保護する公益通報者保護法違反。政治道徳的な問題であり、知事の対応は今後、法的な問題へと発展する可能性が高い。知事はそれをわかっていて、辞めずにパワハラの方に注目させ、ことの重大さを薄めようとしているとも捉えられる」

 との見方を示した。

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事実ならばそこで政治生命は終わり