THE ALFEEの高見沢俊彦

 現在は心身の調子を崩し、外出や食事を制限している日々だが、この夏のイベントだけは特別だ。

「奇跡の50周年ですからねー! 中学生のときに聴いていたときとは心情も違っていて、いまはもう高見沢さんに恋してる! 一晩、貸して!」

 ファンをお休みして育てあげた長男が、ノリノリの母をコンサート会場の入り口まで送っていった。
 

夫がチケットをビリビリに!?

 職場の同僚だという53歳の女性2人組も、それぞれ一時期、ファンを離れていたという。

「中学2年生のころから20歳まではファンで、結婚してからはチケット代などを捻出できず、45歳までお休みしていました」

 と話した女性の同僚も、

「私も20年近くファンを離れていた。夫が『アルフィーなんて絶対にダメだ』と……」

 と振り返る。

 やきもち焼きの夫は、ほかの誰かにキャーキャー言うのを嫌がった。息子が中学生になったのをきっかけに「1回だけでいいので、コンサートに行かせてください」と頼み込み、チケットを買った。しかし、コンサートの日が近づくと、「チケットはどこだ」と夫から言われ、「会社に置いてある」とチケットを隠していた。以前に購入したチケットを破かれたことがあったのだ。

 そんな「チケット騒動」もあった夫は、3年前に他界した。

「夫が亡くなって寂しいけど、自由。お父さん、ごめんね。コンサートに来てます。自分で働いたお金でコンサートに来られて、今はやりたい放題。ファンに出戻りできてよかった」
 

お腹の中でTHE ALFEEの夏イベント

 THE ALFEEの夏のイベントに初めて参加したのは「妊娠8カ月のお母さんのお腹の中だった」と言う24歳の女性は、53歳の母とそろって50周年のTシャツを着て、会場を訪れた。

 母がTHE ALFEEを知ったのは中学2年生のとき。2つ年上の兄のノートに「好きな曲」リストが書いてあり、それをこっそり見たのがきっかけだった。3番目に書かれていたのが、THE ALFEEの『無言劇』だった。

 そのときは「こんな曲が好きなんだ」としか思わなかったが、音楽番組「ザ・ベストテン」の「スポットライト」に登場したTHE ALFEEを見て、ファンになった。兄のリストにあった『無言劇』にもハマった。さらに高校生になって初めて同じようにファンの同級生に出会え、ますますのめり込んでいったという。

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家族4人で夏イベントへ