ヘンリー王子(39)とメーガンさん(43)が8月15日から4日間、南米コロンビアを訪問した。当初は、11月7日と8日に首都ボゴダで開催される初の「児童への暴力根絶に関する世界閣僚会議」に合わせての訪問で、今秋とされていたが急きょ早まった。

【ロイヤルツアーさながら】コロンビアで現地の伝統芸能に触れるメーガンさんとヘンリー王子

急きょ早まったコロンビア訪問

4日間のコロンビア訪問の初日、ボゴタでフランシア・マルケス副大統領(左から2人目)らと会談したヘンリー王子とメ―ガンさん= 2024 年 8 月 15 日(photo Backgrid/アフロ)
 
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 招待状を送ったのはコロンビア初の黒人女性副大統領フランシア・マルケス氏だ。彼女はネットフリックスのドキュメンタリー番組「ハリー&メーガン」を見た後、「メーガン妃を招かないといけない」と決心したそうだ。番組に心を強く揺さぶられ、「彼女のストーリーは世界の多くの女性に力を与える」と思ったという。

 しかし、それだけが理由ではなく、コロンビア政府の苦しい事情も絡んでいる。2022年、コロンビア初の左派政権が誕生した。元左翼ゲリラのグスタボ・ペトロ大統領は就任後、貧困と不平等の撲滅を掲げ、税制や年金制度の改革に乗り出した。しかし、国民の期待に応えるには程遠く、側近による不祥事が続いたうえ大統領の長男がマネーロンダリング(資金洗浄)と不正蓄財容疑で逮捕されてしまった。こうした政府のスキャンダルまみれの状態から国民の目をそらすのが、ヘンリー王子とメ―ガンさんを招いた目的とささやかれている。2人は、政府の便利な「政治の駒」として利用されたというのだ。

 そんな内情がある一方、メーガンさんにも今回の招待を歓迎する理由があった。王室離脱時に、メーガンさんは「英王室は私には小さすぎる。好きな言葉は“グローバル”」と考えていたのだ。常々、英王室に対して、自分がどれほど世界から求められているか、国際的に有名なスターなのかをみせつけたいと考えているからだ。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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今回も”ロイヤルツアーもどき”