「アメリカではお酒がご縁の入り口としての飲み物ではないんです」と廣津留さん。(撮影/吉松伸太郎)

 海外との飲み文化の違いについて言うと、アメリカには会社の上司や同僚と飲みに行く文化はあまりないかもしれません。仕事の後は友達と飲みに行ったり、家に招いたりしてお酒を楽しむ人が多いかな。お酌をする習慣もないんですよね。欧米ではワインを飲むときは男性が注ぐのが一般的ですが、基本的には各自でやるというか、勝手に飲むイメージですかね。また、学生だけでなく社会人になっても、お酒の席で遊びやゲームをする人が多い印象があります。例えば「ビアポン」を知っていますか? テーブルの両端に、ビールが入った10個のカップをボーリングのピンのようにピラミッド型にそれぞれに並べて、相手チームのカップを狙ってピンポン玉を投げ入れるゲームです。ピンポン玉を入れられたチームは、そのカップのビールを飲まないといけないというルールで、もともとはアメリカの大学生の間で生まれたゲームらしいのですが、バーなどで遊ぶ人も多いです。チーム戦なので絆を深めながら飲むことができちゃいます。今考えると、あまり衛生的ではないかもしれないけれど(苦笑)。

 それから「Never Have I Ever」もお酒の席で盛り上がるゲーム。1人ずつ順番に「私は今まで一度も〇〇をしたことがありません」と言っていきます。例えば、「私は山登りを今まで一度もしたことがありません」であれば、山登りをしたことがある人はみんなお酒を一杯飲む。ポイント制でやることもあります。このゲームはただ飲むだけじゃなくて、人の隠れた一面を知ることができるのでお互いを理解するいい機会になるんですよね。

 ただ、アメリカは日本と違って、仕事で初めて会った相手を気軽に飲みに誘う文化はあまりないかな。お酒がご縁の入り口としての飲み物ではないんですよね。例えば、自己紹介で「好きなことは、お酒を飲むことです」と言ってしまうと、ドン引きされてしまうかもしれません。絆を深めるゲームをしたり、ホームパーティーを開いたりという楽しみ方なので、飲むということ自体が親しい関係性でのものなのかなと私は思います。

構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS

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