新アルバムについての思いを語る森口さん(撮影/門間新弥)

50代でも精力的にアルバムリリース

 前述の言葉通り、仕事に邁進する森口さんは、50代になってからも精力的にアルバムをリリースしてきた。機動戦士ガンダムの名曲をカバーした3枚のアルバムは、累計出荷枚数が合計25万枚のヒット、シリーズ3作品とも全てオリコンウィークリー3位以内にランクインし、シリーズ1作目では「輝く!  日本レコード大賞・企画賞」を受賞。昨年は80年代から90年代までのテレビアニメソングをカバーした「ANISON COVERS」をリリースして好評を博した。

 そして今年8月7日には「ANISON COVERS 2」をリリース。オリコン週間アルバムランキング8位、Billboard JAPANトップアルバムセールス週間アルバムランキング5位というチャート記録を叩き出した。また、ジャケットや袋とじ歌詞カードの「ビキニ写真」以外にも“売り”が満載だという。

「1曲目の『想い出がいっぱい』(『みゆき』のエンディングテーマ)のカバーは80年代の楽曲ですが、阿木燿子さんの歌詞がとても深くて、泣けてきます。鳥山雄司さんのアコースティックギターや元カシオペアの神保彰さんのドラムも温かくて、とてもクオリティーが高く仕上がっています。まさに大人のためのアニソンアルバムにぴったりのアレンジになっています」

 収録されている曲は80~90年代のアニソンだが、全体を通して大人が聴きやすいアレンジになっているという。

「『ちびまる子ちゃん』のオープニングテーマをカバーした『ゆめいっぱい』は、明るいボサノバヴァージョンにしています。『STILL LOVE HER(失われた風景)』(『シティーハンター2』エンディングテーマ)にカバーでは、友人でTM NETWORKのメンバー・木根尚登さんに参加をお願いしたら、快く引き受けてくださいました。この曲は同じくTMの小室哲哉さんがロンドンにいるときにご自身のことを書いたもので、もともとはアニメのための曲ではなかったんですが、哀愁のある切ない木根さんのハーモニカが聴きどころです。あとはももいろクローバーZの百田夏菜子ちゃんが参加してくれた『おジャ魔女カーニバル!!』(『おジャ魔女どれみ』オープニングテーマ)のカバー。大人でも無条件に体が動いて、夏菜子ちゃんのとってもキュートな歌声でみんな口角が自然に上がること間違いなしの元気ソングに仕上がりました」

 音楽のことも、バラエティーのことも、結婚のことも、森口さんは何でも楽しそうに話してくれる。話と笑顔で周囲をパっと明るくさせる才能は、やはり一流のエンターテイナーなのだと改めて感じた。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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