芸人を大雑把に「若手」「中堅」「大御所」と分けるとすれば、爆笑問題はすでに大御所の領域に入っていると言える。しかも、いまだにコンビでテレビ・ラジオなどのメディアを主戦場として活躍する彼らには、圧倒的な「現役感」がある。
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タモリ、ビートたけしはテレビの仕事を減らして終活モードに入り、とんねるず、ウッチャンナンチャンにはコンビのレギュラー番組はなく、ダウンタウンは片方が活動休止に入っている。ほかの大御所芸人が続々と第一線から退いている現在では、爆笑問題が実質的にお笑い界のトップの一角を占める存在になっていると言っても過言ではない。
しかし、メディアを通して見える彼らの姿には、そのような権威を身にまとっている堅苦しさは微塵も感じられない。明石家さんまは「バラエティは戦場」というのを持論にしているが、爆笑問題の番組には戦場らしい雰囲気は全くない。彼らはどんなときにも悠然と構えている。
そんな2人が後輩芸人と接するときに見せる先輩としての顔が好きだ。余分な緊張感を与えず、後輩を自由に遊ばせて、対等に接する。『バクモン学園』『爆笑問題&霜降り明星のシンパイ賞!!』をはじめとして、彼らが後輩芸人と共演する番組では、全体的に温かいムードが醸し出されていた。
8月11日放送の『バクッと令和問題』(テレビ朝日系)もそのような番組だった。爆笑問題と令和ロマンの2組による冠番組。昭和から令和に時代が移り変わる中で変化しているものについて、VTRを見て語り合うトークバラエティである。
若いタレントに昭和時代のショッキングな映像を見せるような、世代間ギャップを題材にする企画は、最近のバラエティで流行りのフォーマットである。初めて本格的な形で共演する2組がそこでどのような化学反応を見せるのか、というのがポイントだった。