番組冒頭から、爆笑問題の太田光は観客席に飛び込み「助けてくれ!」と絶叫。負けじと令和ロマンの高比良くるまも一緒に飛び込んで「助けてあげてくれ!」と叫び、混乱に拍車をかけていた。

 本編に入ると、爆笑問題と令和ロマンは自由にトークを展開。VTRの内容を踏まえながらも、そこからはみ出してそれぞれの視点で話を進めていた。

太田もくるまも話題が広がる

 太田も、くるまも、やや特殊な人生を歩んできたマイノリティ側の人間であり、世間一般の平均的な価値観では動いていない。そのため、普通の意味での「昭和vs令和」というような世代間ギャップの話にとどまらず、話題がどんどんずれて広がっていくところが面白かった。

 令和ロマンの2人には度胸があり、技術がある。だから爆笑問題のような大御所芸人にも堂々と対峙することができた、とも言える。だが、実際には、爆笑問題が年の離れた後輩芸人にもフラットな態度で接するからこそ、令和ロマンがのびのびと振る舞うことができたのだろう。

 番組の最後に、総括的なコメントを求められたくるまは、霜降り明星やラランドのサーヤなどの周りの芸人がみんな爆笑問題のことを好きだから、一度会って仕事をしてみたかった、と話した。そして、収録を振り返って感慨深げにこんな言葉を残していた。

「こんなこと言うのは失礼かもしれないけど、普通に超面白くて大好きです。普通に早くて、面白くて、うれしかったです」

 その飾らない素直なコメントは、これまで爆笑問題と共演してきた後輩芸人たちが共通して感じてきた心の声を代弁するものだったに違いない。トップに立つ者に必要なのは、表面上の「厳しさ」ではなく、すべてを包み込む「器の大きさ」なのだ。(お笑い評論家・ラリー遠田)

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?