プロでは結果の残せない日々が続く中日・根尾昂
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 プロ入りから時間があっという間に過ぎ去り、6年目の今季もここまで結果を残せていない中日・根尾昂。2022年シーズン途中からは投手に転向し、飛躍の予感も漂わせていたが、一軍では苦戦が続く。年齢的にもう“伸びしろ”もそこまでないという声もあり、崖っぷちの状態とも言えるだろう。

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 根尾の今季初先発は“最悪”と呼べるような乱調ぶりだった。8月4日の広島戦(マツダスタジアム)の初回、先頭の秋山翔吾にストレートの四球を与えると、その後に4連打を浴びるなどいきなり5失点を喫した。2回にも相手の勢いを止められず秋山に本塁打を打たれ、結果的に3回を投げて8安打、6失点(自責点は5)。二軍では11試合に先発し、59イニングを投げて防御率2.59と安定した投球を見せていたが、「一軍では通用しない」という印象を残したまま翌日5日に登録抹消となった。

 立浪和義監督も「思い切って打者に向かっていってくれれば」と前日に期待を語っていたが、指揮官の信頼を勝ち取る投球を見せることはできなかった。

「立浪監督の胸中を考えると気の毒でしかない。何とか一本立ちさせようと様々な方法を試し、今回も十分調整する時間を与えていた。そんな状況で、ああいう投球をされると起用するのも後ろ向きになってしまうかもしれない」(中日OB)

「ボールが指にかからず真っ直ぐは上下左右に暴れていた。変化球は置きにいくような弱い腕の振りで打者との勝負以前の問題にも見えた。心の動揺が(初回の)打球処理時の悪送球にも繋がったようだ。元々野手なので守備には自信があるはずだが、ちゃんとした動きができていなかった」(在京球団スコアラー)

 試合後に立浪監督は「苦い登板になったが、この悔しさと経験を生かして次に向かって欲しい」と労いの言葉をかけた。しかしチームは成績不振が続き自身の去就も不透明な中、次のチャンスがいつ与えられるかはわからない。今回の登板でかなり評価を下げてしまったのは間違いないだろう。

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現段階では「一軍半の選手」という評価