東京五輪に続き、パリ五輪でも日本人選手たちが大活躍したスケートボード。選手層の厚さを支えているのが、自治体が設けた公共のストリートスポーツ利用施設、「スケートパーク」だ。東京五輪以降、スケートパークの設置を目指す自治体は大幅に増えた。
【写真】スケボーの醍醐味とは。五輪でトリックに挑む吉沢恋選手
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金メダリストも通った「スケートパーク」
パリ五輪スケートボード女子ストリートで金メダルに輝いた吉沢恋(ここ)選手は、幼いころから地元のスケートパークで腕を磨いてきた。
それが、神奈川県相模原市にある「小山公園ニュースポーツ広場」だ。広場を管理する同市スポーツ施設課の宮地誠一郎課長は、こう語る。
「吉沢選手がかつてそうだったように、今も小さな子どもたちがヘルメットやプロテクターをつけて、懸命に練習に励んでいます。そんな子どもたちが成長し、オリンピックや世界選手権大会で上位に入賞する姿を見るのは、大変うれしいし、誇りに思う」
全国に475施設、自治体が注目
NPOスケートパーク協会によると、全国に公共スケートパークは475施設(5月末現在)ある。東京五輪後の3年間でほぼ倍増した。同協会理事長の河崎覚さんは言う。
「東京五輪でスケートボードが注目されてから、年間70~100件ほど自治体から問い合わせがくるようになりました。『どういう手順を踏めばいいのか』『何を作ればいいのか』と」
「団塊ジュニア」が子どもだった1970~80年代、全国に数多くの公園が作られた。それが今、改修時期を迎えていることも理由だという。
「老朽化した公園を改修するにあたり、自治体の担当者が『注目のスケートボードの施設を作るのはどうだろう』と、考えるわけです」
孤独・孤立対策や予防につながる
だが、自治体のスケートパークへの理解は「十分とはいえない」という。
「スケートパークは人や社会とのつながりを学ぶ『教育の場』であり、『自己発見の場』だとぼくは考えています」
今年1月、内閣府の「孤独・孤立対策に資するNPO法人等への調査」で、河崎さんらはスケートパークの企画・運営について、ヒアリングを受けた。スケートパーク運営が「孤独・孤立対策や予防につながる」(調査報告書)とみられたからだ。