柏市によれば、年内に10カ所を改めて水質検査する予定だが、個人宅の井戸水の調査はしない。もししたければ有料で民間の施設に水を持っていくしかないとのことだった。上水は安全なので、井戸水でなく上水を飲んでくれとも言われた。何か対策をしないのかと聞いたが、国の方針が定まっていない、とのことだった。
PFASが発展したのは、原子爆弾の製造に使われたからだと言われている。ウランを濃縮する過程にPFASは最適の配管素材として使われた。そのため戦時下では軍の機密物質として扱われた。
母と父は戦争が終わった年に生まれた。原爆が落とされた年に生まれた世代が高齢になり、そして今PFASに苦しめられている。戦後は終わっておらず、そして過去のつけは常にずっと新しい世代にこうやって押しつけられている。
来年は戦後80年。PFASが使われた原爆が落とされてから80年になる。きっと私はこれから、この季節になると母と父の喧嘩、怒った目でごくごくと井戸水を飲み干す母の姿を思い出すのだろう。そしてなぜだろう、敗戦の重みが、年々、どんどん重くなっていくように感じるのは。