「戸籍がない」人生、イメージできるだろうか。本書は何らかの事情で出生届が役所に提出されず生きることを余儀なくされた人々のルポだ。 著者はかつて、再婚後の出産が民法の規定に引っかかり「無戸籍児」の母となった経験から支援活動を始めた。住民票が作れない、健康保険証が持てない、銀行口座を作れない──当事者が被る不利益は枚挙に暇がないが、公表がしづらいなどの事情もあり、問題は長らく社会的に放置されてき…

続きを読む